USCPA (米国公認会計士) 合格体験記

ずっと以前(2005年10月ごろ)に、書いた文章があります。もともと、別のサイトへの投稿用に書いたのですが最終的に没になったので、それをここで紹介します。

USCPA(米国公認会計士)試験 受験体験記

私はコンピュータ関連の仕事をしております。クライアントに外資系企業が多く、US−GAAPや国際会計基準の知識が必要となります。そこでUSCPAの勉強を始めました。2001年に受験予備校に入り、最終的には2004年の第1回目のコンピュータ試験で、最後に残った科目であるBECに合格しました。当初は、受験そのものは絶対的な目的ではなく、仕事に必要な知識を得ることが主眼であったため、あまり切迫感もなく自宅に贈られてくるビデオを淡々とこなすといった勉強をしていました。

1年程して受験資格を満たしたので、受験を具体的に考え出したのですが、実力がさっぱり伴っておらず、勉強方法を変えることにしました。それまでは、自宅で勉強をしていたのですが、休日は必ず予備校へ行きライブの授業を受けるようにしました。これは、大変良かったです。大阪は授業を受ける人も東京のように多くありません。すぐに、講師の先生や受験仲間と話しをするようになり、いろいろな情報交換をしました。自宅での勉強では、どうしてもペース配分が分からず孤独感に陥るのですが、仲間ができると互いに刺激しあい、勉強の大きな励みとなりました。今でも当時の先生や仲間と交流があり、私にとって貴重なネットワークとなっています。

勉強方法としては、予備校のテキストと問題集を中心にやりました。Wileyなども一応購入したのですが、普段持ち運ぶにはサイズも大きく重過ぎます。仕事と勉強を両立させるには時間管理が大切ですので、多くの人が言われているように、私も問題集を常にカバンの中に入れ、電車の中や昼休など細切れ時間にマルチの問題をできるだけ多く解くようにしていました。

試験科目4科目中の3科目はペーパー試験で合格し、最後に残ったBEC(昔の、Business Law)は、コンピュータ試験で合格しました。ペーパー試験とコンピュータ試験では、試験内容が変更になっており、時間的には大変だったのですが、両方の試験を体験できたことは今思うと貴重な経験でした。ペーパーの試験は、ハワイで受験したのですが、広い会場に大勢の受験生が各国から集まります。あの会場の雰囲気は一種独特のもので、試験中にトイレに行く時もパスポートを見せるなど、その厳重さを肌で知ることでUSCPAの難しさを別の角度から感じることができました。

コンピュータ試験は、仕事柄コンピュータに触れており、あまり違和感なく受験することができました。マウスのクリックとキーボード操作の試験は、それまでの試験の概念を捨てないといけないのですが、慣れてしまえば全く問題ないと思います。それよりも、最後に残った教科であるBEC(Business and Environment Concept)の内容が面白く、興味を持ちました。財務管理、マクロ経済、ミクロ経済等が新しく範囲になりましたが、これらの何れも大学時代も全く勉強しておらず、全くゼロからのスタートでした。しかし、勉強するうちに仕事でも役立ちそうだと気づき、楽しく勉強することができました。何事も、興味を持つことが大切だと感じます。

USCPAの受験には、膨大な時間が必要です。休日のほとんどは勉強時間に潰れますので、家族サービスはできません。ですから、家族の協力は必須です。私も、家内や娘に感謝しています。しかし、この受験勉強を通じて多くの友人ができ、自分自身の貴重な財産となりました。また、新しいことを勉強し続けることの面白さや大切さも知ることができました。今は、BECで興味をもった分野をもっと深く掘り下げ、仕事に生かせればと思っています。